【残留溶媒】有機酸の分析【誘導体化】

1.概要

医薬品原薬の残留溶媒測定法の検討を行いました.
今回測定したのは有機酸(酢酸とギ酸)です.
一般的にはGCを用いて測定しますが,前任者の検討で夾雑物が多く,
測定が難しそうとのことでしたのでHPLCで測定することにしました.

2.カラムの選択~検討

まずは,有機酸をHPLCで測定する方法について調べました.
その結果を検出法・分離法・分析法に分けて下記にまとめました.
機器の都合上,今回選択できるのはUV検出かつポストカラム法以外の分析でした.

検出法(検出器の種類)

検出法 特徴
UV検出 感度は高いが夾雑物による妨害が大きい
蛍光検出 誘導体化が必要
示差屈折率検出 夾雑物による妨害は少ないが,感度が低い
電気伝導度検出 夾雑物による妨害は少ないが,
移動相のバックグラウンド電気伝導度を下げる必要がある

分離法(カラムの種類)

分離法 特徴
イオン交換  多くの有機酸を分離するには,
グラジエント溶出法が必要で,分析時間も長い
イオン排除 有機酸分析では最も多用されている.
移動相条件をあまり調整しない簡便な方法.
逆相 HPLCで最も汎用性の高いモードだが,
親水性の高い有機酸は十分な保持や選択性を
得られないことが多いため,あまり用いられない.

分析法(サンプル誘導体化のタイミング)

分析の種類 特徴
プレカラム 分析前に誘導体化を行う.
感度が高くなり夾雑物の影響が小さくなる.
通常 一般的な分析法
ポストカラム カラムによる分離後誘導体化試薬を加え分析する方法.
感度が高くなり夾雑物の影響が小さくなるが,
対応した装置が必要.

次に,カラム販売メーカーで酢酸とギ酸を分析しているクロマトグラムを検索し,
UV検出,逆相,誘導体化なしの条件でクロマトグラム(カラム)を選択し分析を行いました.
しかし,夾雑物の影響は除去できませんでしたので別の方法を検討することにしました.

3.誘導体化試薬の選択~検討

夾雑物の影響を除去するためプレカラム誘導体化法を検討しようと思い,
誘導体化試薬をいくつかのメーカーで検索しました.
その結果を下記に示します.

メーカー 詳細
Sigma-Aldrich 使用方法の記載がなく使いにくい
富士フイルム和光純薬 使用方法の記載はあるが販売停止の試薬が多いので使いにくい
YMC 使用方法及びクロマトグラムがあり使いやすい
GL-science 使用方法はあるが,クロマトグラムがない
東京化成工業 使用方法及びクロマトグラムがあり使いやすい

YMCと東京化成工業は使用方法とクロマトグラムが記載されており,
検討がしやすそうであったためこちらから「YMCの長鎖・短鎖脂肪酸分析キット」を選択し検討を行いました.
その結果,夾雑物の影響を除去し酢酸とギ酸を分析することが出来ました.

3.まとめ

  • 夾雑物の影響除去には誘導体化が効果的であった.
  • 誘導体化試薬は多々あるが,使用法やクロマトグラムがない場合は
    検討の取っ掛かりがないため選択すべきでない.
    (メーカーが記載してくれることを願う)
  • プレカラム誘導体化法は特別な機器を必要とせずに,
    夾雑物の影響を除去できるため,優先的に検討したい方法である.

4.参考文献

ガイドラインなど

参考 ICH-Q3不純物PMDA 参考 第十七改正日本薬局方PMDA

分析法など

参考 有機酸分析法島津 参考 各種検出器による有機酸分析の比較昭和電工(Shodex)

カラム選択

参考 YMC-Triart C18YMC 参考 アプリケーション検索ジーエルサイエンス 参考 各種検出器による有機酸分析の比較昭和電工(Shodex) 参考 文献ライブラリWaters 参考 検索結果Agilent 参考 LCアプリケーションデータシートCERI

誘導体化試薬

参考 誘導体化試薬Sigma-Aldrich 参考 LC誘導体化試薬富士フィルム和光純薬 参考 脂肪酸分析キットYMC 参考 誘導体化試薬の使用例GL-science 参考 誘導体化 の検索結果東京化成工業

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