【まとめ】毛穴ケアに関する考察

1.毛穴が詰まるとは?

毛穴が詰まるとは毛穴から皮脂や老廃物(タンパク質)が正常に排出されなくなり,毛穴内で角栓として詰まってしまう状態のことです.

角栓の成分中 73.32±14.43% (mean±S.D.) がタンパク質で,残りが脂質などになります.*毛穴について

つまり,上記のデータが標準正規分布していると考えると,99.7%の人の角栓の割合は,30.03%~100%の割合がタンパク質で,0%~69.97%が脂質などになります.*標準正規分布について

⇒タンパク質の除去や脂質の除去(洗顔)が角栓形成の抑制に重要であることが推察されます.

毛穴の平均面積は全体として10代から20代に向けて急激に増加し,20代から30代にかけては緩やかな増加をした後,30代から40代にかけて再び急激に増加する傾向を示しています.*毛穴について

縦軸:毛穴の面積,横軸:年齢

目立つ毛穴は年代ごとに,以下に示す4段階を経て形成されると推察されています.*毛穴について

  1. 10代から20代にかけては毛穴に角栓が形成されるようになり,角栓が物理的に毛穴を開大させ,面積の増大をともなって毛穴が目立つようになる急増期
  2. 20代から30代にかけては角栓が形成され続けて緩やかに面積が増大する漸増期
  3. 30代から40代にかけては角栓の詰まっている割合が減少するものの,一度開大された毛穴が,老化等が原因と推察される組織の変性により,角栓のない状態でも開大した状態が維持され続け,毛穴の面積が増加する急増期
  4. その後40代から50代にかけては,老化等により一度開大・固着した毛穴が緩やかにさらに増大し続ける漸増期である .

⇒毛穴が目立つ原因は年齢によって異なるため,改善方法も年齢によって異なることが推察されます.10代~30代は角栓の抑制を,40代以降は老化の抑制(組織変性の抑制)が毛穴を目立たせないために重要です.

2.毛穴が詰まるメカニズム

なぜ,毛穴が詰まるのでしょうか?

論文では以下のように考察されています.

作用刺激により表皮が刺激され,細胞分裂が亢進し,その結果生み出された角層細胞が累積して角栓を形成し,物理的に毛穴を拡大させるメカニズムを支持するものと考える.*毛穴について

つまり,

  1. 刺激を受ける
  2. タンパク質生成量の増加(角栓の主成分)
  3. 角栓の形成

となります.

ですので,刺激を受けさせないことが一番重要になります.

また,炎症によってもタンパク質生成量が増加(角化亢進)するため,炎症を起こさせないことも非常に重要になります.*炎症について

3.毛穴を詰まらせる要因は?

毛穴が詰まる要因は刺激を受けたり,炎症が起きたりしてタンパク質生成量が増加することですので刺激を受けないことと炎症を起こさないことが一番です.

刺激や炎症の元になるのは大きく分けて物理的刺激と化学的刺激に分けられます.具体的な内容は以下のようなものです.これらを避けるのが重要です.

  • 過度な洗顔(回数が多い,ゴシゴシこする)
  • 肌の乾燥
  • むやみに顔を触る
  • マスク
  • 洗浄力の高い洗顔料・クレンジング
  • スクラブや泥とか灰入りの洗顔料(肌を傷つけるため)
  • ムダ毛処理(毛抜,逆剃り,切れ味の悪いカミソリ)
  • 爪などで角栓を押し出す
  • 毛穴を絞る器具
  • 毛穴パック
  • ピーリング
  • 皮脂の分解物(ジグリセリド,モノグリセリド,構成遊離脂肪酸など)
  • 紫外線
  • 酵素洗顔
  • 収斂化粧水
  • アルカリミスト(毛穴洗浄ミスト)
  • 寝不足
  • ストレス
  • 食生活の乱れ
  • 疲労
  • 運動不足
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 不規則な生活

4.毛穴を詰まらせないためにすべきことは?

毛穴を詰まらせないためにすべきことは以下の通りです.

  • 適切な洗顔やクレンジング(皮膚に刺激を与えず,老廃物や余分な皮脂,花粉,PM2.5などを洗い流すこと.老廃物や皮脂の分解物は皮脂への刺激となるため)
  • 乳液やオイルなどで乾燥を防ぎ,皮膚を保護すること(脂性肌の経緯としては乾燥⇒皮脂の増加⇒脂性肌であることが多いため,脂性肌でも行い原因である乾燥を取り除くべき.)
  • 紫外線対策
  • 規則正しい生活
  • 栄養バランスのとれた食事(食べたものから体は作られている.無から有は作り出せないので正常な状態を保つために必要なものがなければ,いくらほかのことを行おうとも無理.)
  • エモリエント作用(角質層の一時的な柔軟化)のある化粧品の使用(柔軟化させることで角栓が排出されやすくなることが期待できる)
  • 抗炎症作用のある化粧品や医薬部外品,医薬品の使用
  • 抗酸化作用のある化粧品や医薬部外品,医薬品の使用(皮脂の分解を抑える)

5.試験の概要

以上のことを踏まえて毛穴の詰まりを改善するために【乳液やオイルなどで乾燥を防ぎ,皮膚を保護すること】,【エモリエント作用のある化粧品の使用】,【抗酸化作用のある化粧品や医薬部外品,医薬品の使用】に着目して試験を行っています.

上記の内容を選択した理由は洗顔や規則正しい生活などより他人が行った際の再現性が高いと判断したためです.

試験内容としては以下の通りです.

目的:乳液やオイルなどを使用することによる毛穴の詰まり改善

乳液,オイル,化粧品,医薬部外品,医薬品の選定:抗酸化,低刺激,抗乾燥,エモリエント作用などの効果が高いもの.

洗顔:朝と夜にW洗顔

試験期間:皮膚のターンオーバー期間である約7週間(およそ角層14日,顆粒層~有棘層が14日,基底層が17日の計45日)を目安とする.*皮膚のターンオーバーについて

評価方法:毎週日曜日起床直後に写真を撮り,改善効果が見られるか観察する.

6.結果まとめ

試験物 評価項目
作用 使用感
抗乾燥 毛穴詰まりの
改善
肌荒れ べたつき 広げやすさ 肌なじみ
スクワラン よい なし ほぼない ほぼない よい よい
椿油 よい なし ほぼない ほぼない よい 非常によい
椿油(乳液) よい なし ほぼない ほぼない よい 非常によい
マカデミアナッツ よい なし ほぼない ほぼない ふつう 非常によい
アルガンオイル よい なし ほぼない ふつう ふつう ふつう
ホホバオイル よい なし ほぼない ほぼない よい 非常に良い

7.参考文献

皮膚のターンオーバーについて

参考 皮膚の構造とはたらきマルホ 参考 肌荒れの原因①ターンオーバーの乱れエスエス製薬 参考 あたらしい皮膚科学第3版表皮皮膚科医 清水宏 オフィシャルサイト 参考 皮膚病治療情報・皮膚科教科書 あたらしい皮膚科学第3版皮膚科医 清水宏 オフィシャルサイト

毛穴について

参考 年齢による毛穴の目立ちの実態調査J-STAGE

標準正規分布について

参考 3σと不良品発生の確率を予測する「標準正規分布表」MONOist

炎症について

参考 炎症性ざ瘡の抗菌療法 ― 抗菌剤による新規抗炎症作用を中心に ―J-STAGE

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